西郡コラム 『職員研修』

『職員研修』 2017年4月

私たちは、花まるメソッドを基にした、モジュール学習を公立小学校に導入している。導入するからには、モジュール学習を実際に現場で進行する、学校の先生に研修が必須になる。花まるのやり方を理屈で伝え、実際にやってもらう。形だけでは、ただのドリル教材、なぜ、花まるなのかが伝わらない。理念を知れば、やり方も変わる。しかし、すぐにはできない。ダンスと同じ、型を頭で理解しても動きは遅れる。基本の「テンポ、スピード、タイミング」を体で覚える。
研修では、以下の項目そって、理念とやり方を伝え、実践練習に入る。

■「花まるモジュール」の指導ポイント
(1)15分間、緊張感をもって、一気集中して、楽しく終わらせます。
(2)フォームづくりをします。(声の出し方、書く姿勢、集中する姿勢)
(3)音読に限らず、声を出すときは出し切ります。
  「できた!」「やった!」「イエーイ!」
(4)スピード重視で、テンポよく、リズミカルに進めます。
(5)取り組む対象を明確にして、対象に集中させます。
(6)学習の切り替え(段取り)を素早くおこないます。
(7)メリハリの利いた、明快な声で指示し、
  集中する雰囲気をつくります。
(8)無駄を省き、すばやく次の課題に取り組ませます。
(9)待ちません。遅れている子が必死についくるように励まします。
(10)繰り返すことで、わかりきる達成感を感じさせます。
(11)具体的に褒める⇒認める⇒他の児童の向かう方向を示します。
(12)昨日より、今日がよくできたことを評価して、
   向上心を持たせます。
(13)時間になったら素早く終わり、引きずりません。
(14)細かい指示を出さず、どうしたらいいか、
   子どもたちに考えさせます。
(15)すぐにはできません。毎日やることで慣れていきます。
   長い目でみます。
(16)終了後、やりきった感、高揚感をもたせます。
(17)遊び心をもって、子どもたちを楽しませます、のせます。
(18)先生自ら音読を楽しみます。
   楽しい先生がいるから、子どもたちも心身が解放されます。
(19)「おおいなるマンネリ」もよし。
   すぐにできる快感、達成感が次の意欲を生みます。
(20)創意工夫して、飽きさせないのが私たちの仕事。

花まるメソッドを形だけで終わらせないためにも、研修はやってもらう。私たち花まるの教室長は、花まるメソッドを半年かけて習得する。しかも試験があり、合格した人だけが教室長として子どもたちの前に立てる。花まるの入社2年目の社員が、学校の先生の前で花まるモジュールの司会をやってのけるのも、研修と日々の実践を通して、しっかりと花まるメソッドが染みついているからだ。若い社員が司会をするモジュールで、子どもたちが集中して、また達成感を味わいながら、楽しく勉強をしている。その子どもたちの様子を見て、学校の先生もその若い社員のことと花まるメソッドそのものを認めてくれる。こうなれば話は早い。先生達が実践を重ねる中で、子どもたちが前向きになる。子どもたちが変化をすると、今度は先生たちにも自信がつき、より授業実践が高まる。好循環が生まれ、学校が明るくなるのだ。子どもも大人も元気にさせる花まるメソッドを、より多くの公立小学校に定着させたい。

西郡学習道場代表 西郡文啓