カエル 『親をいたわれ』

『メッセージ⑨ 親をいたわれ』

六年生のキミへ。
 
最近、お母さんやお父さんからあれこれ言われると「今、やろうと思ってたのに!」なんてカチンときてしまう、っていうことはあるだろうか。

もしあるとしたら、それは健康な証拠だよ。十一歳くらいになったら、いちいち言われたくないと思うのは正しい。ただし、そこで反発しないでほしい。

キミの頭脳は今、右肩上がりにビューンと成長している。これからも、もうちょっと上がる。でも、お父さんやお母さんの頭脳はというと、逆に下がってきているわけ。十一歳であるキミの頭脳が、下がってきたお父さんお母さんのそれをちょうど抜いたくらいなんだ。だから、「お母さんの言っていること、おかしくない?」って感じることがいっぱいあるでしょ。途中から話の脈絡がなくなっちゃってたり、どう考えてもこちらが正しいのに、お母さん本人はものすごくカッカしている、っていうようなことがさ。それは、もうキミがお母さんの頭脳を抜いてるってことなんだ。

だからこれからは、お母さんをいたわってほしい。
私も実は十二歳の時に、そういうことが書いてある本に出会ったんだ。ちょうど母親からあれこれ言われるのが嫌になっていた時期だったから、その本を読んでからはすごく優しくできた。「いたわる」という目でみると、腹は立たないと思う。何か言われても「はい、そうだねお母さん」ってね。
これまでキミを、精一杯育ててきてくれたお母さんなんだから、優しい気持ちで。十一歳から先は、君たち一人一人が、自分の頭で考える時代なんだ。

このページには、さまざまなテーマでメッセージを書いてきたね。
これから中学生になるキミは、自分で感じ、考え、行動する人になってください。
幸せな中学生・高校生時代を過ごせるよう、心から、応援しています。