Rinコラム 『ARTのとびらきはん-大人向け解説ver.-(1)』

『ARTのとびらきはん-大人向け解説ver.-(1)』2017年8・9月

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
       1 じゆうにやりたいようにつくってください
  表現活動とは、自分自身との対話です。「先生の言う通り」でもなく、「お母
 さんが気にいるように」でもありません。どんな作品を作っても、それは世界で
 唯一のあなた自身。そのこと自体が素晴らしい。創作タイムは、自分自身と向き
 合い、感じて考えて、表現する場所です。自由には責任が伴います。それは「最
 後まで自分で体験する」ということ。つまり、大人が介入して解決しないことが
 大切なのです。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

創作中は、子どもたちの「見てほしい」気持ちや、思いついたアイディアを試してもいいか「これでもいいの?」という不安な気持ちが、多く出てきます。すべての提案や発見、新しいアイディアなどは、「ダメ」とは言わず、(それだとうまくいかないかも…?)と大人が思ったとしても、「いいよ」「やってみてごらん!」「おもしろいアイディア」「間違いはないよ大丈夫」という、肯定、ポジティブ、前向きな認める声かけで、すべてを受け止めてみてください。「これをやったらダメと言われるのではないか」という緊張感がほどけて、ホッとした顔でどんどん「じゆうに」創作していく子もいれば、「ほんとうに?やっていいの?」と何度
も確認する子もいるでしょう。(小学校の先生向け解説より抜粋)
             *
 作品制作、創作表現は、正解のない世界。
 だからこそ、既存の価値観や他人の評価に拠らない、自ら新しい価値観を生み出す思考や、意欲、ゆるぎない自信や、他者を尊重するこころ…子どもたちが自分の人生を生きるための大切なことを伸ばしていけるのです。
 正解がない世界だからこそできる教育。それが、Atelier for Kidsが目指していることです。
 
井岡 由実(Rin)