松島コラム 『受験におけるコロナの功罪』

『受験におけるコロナの功罪』 2020年11月

 世界中が新型コロナウィルス感染拡大で様々な変化が求められる中、教育界ではオンライン授業という新しい学びの形を模索する一年になりました。休校期間中、私学では現場の先生方の創意工夫によって、非常にクリエイティブで革新的なオンライン授業を行った学校も多かったと聞きます。これまで対面型の授業が当たり前だと考えてきた日本の教育関係者にとっては、コミュニケーションを軸とした授業のあり方を考えるよい機会になったのではないかと思います。
 先日、森上教育研究所の森上展安先生に2021年度入試の傾向についてお聞きしました。
 「模試の受験者数は10月ごろから前年並み(一部模試では前年増)に戻ってきているが、難関校・上位校の志願者が減少しており、安全志向の傾向が強い。また、例年よりも受験勉強の仕上がりが遅いことから、ボーダー付近の点数が低くなることも考えられる。したがって、特別に入試問題が易しくなるというわけではないが、来年度入試では基本をしっかりと身につけて臨むことがより大切になってくる。」
 また、「受験を検討している5年生以下のご家庭にとっては、覚えきれないほど多様な入試を打ち出す学校が増えていることから、4教科・2教科だけではなく、わが子にマッチする入試の形があれば一度検討してみることもいいのではないか。」と話されていました。その点では、オンライン説明会によって、場所や時間に関係なく幅広く学校情報を入手できるようになったことは、プラスの材料と言えます。
 2021年度の入試まで約2か月となりました。模試や過去問演習でなかなか点数が伸びないケースもあると思いますが、入試では正答率の高い問題を落とさないことが合否のカギを握ります。言うまでもありませんが、そうした基礎力を確かなものにするには、これまでやってきたテキストや模試などを使って、理解が曖昧のままになっている部分をなくしていくことです。まだまだ時間はありますし、やればやるだけ力はついていきます。森上先生からも、「今年の受験生は例年以上にこれから伸びる可能性がある。最後まであきらめないでやってほしい。」と励ましの言葉をいただきました。
 このインタビューは、「中学受験ナビ・スクールラジオ」というポッドキャスト番組で配信しています。ポッドキャストとはいわゆるインターネットラジオの一つで、スマートフォンのアプリや最近普及しつつあるスマートスピーカー(GoogleホームやAmazonエコー)などから無料で聴くことができます。
 「中学受験ナビ・スクールラジオ」は、学校の先生や受験の専門家をゲストに招いて、お話をうかがう番組です。顧問の先生による部活動の紹介やOB・現役生へのインタビューなど、通常の学校説明会とはひと味違った雰囲気や内容で構成しています。データ量は小さめですので、事前にダウンロードしておけば、通勤途中やお昼のひととき、家事やおやすみの前などの隙間時間に聞き流しができます。Wi-Fiが必要な動画視聴よりも気軽に情報を得ることができます。iPhoneであれば「Podcast」という標準アプリが入っていますし、Androidであれば、「GooglePodcasts」または「Spotify」というアプリをダウンロードすればどなたでも聴くことが可能です。アプリ上で「登録」や「フォロー」をしていただくと更新情報が届きますので便利です。ぜひ志望校選びや受験情報の収集にお役立てください。また、「花まる子育てカレッジ」主催で、12月10日(木)20時30分より、安浪京子さん、西村則康さんと「本番期間の親の在り方」というテーマでZoomライブ配信を行います。受験生をお持ちのご家庭の方がこれから本番を迎えるにあたり、子どもへの声かけや想定外のことにどう対処したらよいのかなどについて、事例を交えながらお話しする予定です。こちらのご参加もお待ちしています。
 繰り返しになりますが、12月・1月で急激に伸びる受験生はたくさんいます。最後まで講師・スタッフ一同、全力でサポートしてまいりますので、引き続き保護者の皆さまには前向きな声かけとご家族の体調管理をよろしくお願いいたします。

スクールFC代表 松島伸浩