高濱コラム 2009年 4月号

4月。新しい学校、新しい学年、新しいクラス。教科書も友だちも先生もかわって、緊張もしますが、出会いの喜びにあふれた月でもあります。信頼できる先生のもと、仲良しの友だちがたくさんできて、お母さま方が、お子様を安心して送り出せる一年になることを祈っています。

私も、子どもたち同様に、この4月から新しい世界に足を踏み入れました。ラジオ放送(東京FM毎週土曜朝7時、Hanamaru family)です。誘われたときには、場違いだろうと思ったのですが、聞いてくださる人数・範囲など、講演会の規模とは格段に違うことをイメージしたときに、今の自分には必要かもしれないと考えました。

ありがたいことに、様々な地域から講演を依頼していただけるようになったのですが、もう時間的に一杯で受けきれないものが出てきていること、また、講演後にお母さま方からの質問や相談をしっかり聞く時間がとれなくなっていることなどが、その理由です。特に後者は、今まさに悩んでいる方にとっても、「現場のホットな事例に触れ続けていること」こそを、他の例えば大学教授や評論家と比べた自分の強みにしている私にとっても、いいことではありません。アンケートにあった相談で答えきれなかったものなどを、そこで一つひとつ答えていこうと決めました。

実際に収録してみると、数学科卒業の知的で感性も豊かなアナウンサーの方が相手としてついてくれたこともあって、自分でも驚くくらい自然体でできました。後で録音したものを聞いてみた最初の感想は、「自分はこんなに早口だったのか」というものでしたが、聞いてくださった方からは、面白かった、選曲が良かったと、温かい言葉をいただき、何とかやっていけそうかなと感じているところです。

今年度の花まるは、全社員で、「授業第一」を合言葉にすることを誓いました。私も、授業やサマーの現場こそを一番大事にして、保護者との交流の面ではラジオを有効に使い、時間を上手にコントロールしながら、歩いていきたいと思います。ぜひ、貴重な声を、ラジオのメールアドレス(hanamaru@tfm.co.jp)にも、お送りくださるようお願いいたします。

さて、この新世界を開いてくださったのは、会員の保護者で、父親学級を聞きに来て下さったお父様です。自分では全く想像もしていなかった世界が開かれたという意味では、初めての本「小3までに育てたい算数脳」のときもそうでした。あのときも、ご夫婦で講演会にいらした一人のお父様が、講演終了後に入り口に立っている私に、つかつかと歩み寄ってこられて、「先生、本を書きましょう!」と声かけしてくださったのでした。

つくづく出会いという幸運に恵まれているなあと思います。そして、そうやって導いてくださった方々の信頼を裏切らないように、また一年がんばっていかねばなと身が引き締まる思いです。今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。