講演会実況中継 『子育てと仕事の両立ってできますか?』

『子育てと仕事の両立ってできますか?』2013年4月

Q
現在育児休業中です。来年職場復帰して、6歳4歳0歳の三人の子育てをするつもりです。育てながら両親共働きとなるのですが、今後仕事を続けるか不安です。子供のことを思ったら、仕事をやめたほうがいいのか悩みます。仕事を続けながら子育てが上手にできるのかどうか不安です。
 

A
うんうん。そうですね。僕らは、昭和の時代にはどう言われていたかというと、幼稚園は幼稚園、保育園は保育園の言い分がみたいなものがあってですね、幼稚園なんかは、「ママが子どもが帰ってくる時に、家にいることが大事」というふうに言っていました。私たちはそう育っています。

でもね、「孤母」ってね、煮詰まってどうしようもなくなっちゃうような場合はね、専業主婦ばっかりなんですよ、実は。閉じちゃっているところにいるからね、もう煮詰まっちゃう。ましてや一人っ子なんかだと、自分の子しか見えないから、ついつい全部見張っちゃう。「こうでしょ、こうでしょ」というように。子どもも安らがない。(ちなみに一人っ子は、親の愛情は満月なので、一人っ子ほどいいものはないっていつも言ってますが、ただ揉まれない経験不足なんかは補ってあげる必要がありますね)

ところが、そのお母さんが、パートに週1でも週2でも行き始めると「ああちょっと空気変わったな」と思うんですよ。あのね、外行ってやっぱり「いいね、頑張ったね」「いい仕事したね」って認められるじゃないですか。

主婦ってね、認めてもらえないんですよ。掃除して当たり前、片付けて当たり前。洗濯して当たり前、ご飯作って当たり前。もうね、嫌になっちゃうんですよ。当たり前の目で見られると。仕事とか学校では必ずある生きたリアクションがないんですよね。

いつも講演会でも言ってますけど、お父さんにいつもお願いするのは、美味しかったら毎日「美味しい」って言ってください。これこそ「犬と猫の関係」ですよ。男は、「自分は別にそんなこと言って欲しくなんてないし」って思うんですよ、いちいち。でもね、女性はちゃんと言葉にして、こまめに言って欲しいんです。美味しかったら美味しいって。そういうことがね、評価です。これがないことで、どんどんイライラしてくるし。

話は戻しますが、よっぽど働いた方がましですね。あとはね、兄弟が上にいる場合は、立体的に見えてきますからね、横から何家族も見ていると。結構それは補えてくるんですよね。

その代わり、いろんな問題が起こった家が、こうやったらうまく行ったという例を研究すると、「一対一のショートタイムは作って欲しいな」というのが、一つのお願いです。

つまり、寝る前に、一人ずつきちんと抱きしめるだけでも全然違いますよ。弟が登ってきたら「違う違う、今お兄ちゃんの時間」って言ってね。要は「空間として一対一」が一番いいんですよね。一週間に一回、土曜日の買い物はママとお姉ちゃんが行くとか。日曜の買い物は弟とお母さんがいくとか。そういう「仕組み」を作ってあげるのが、どうもうまくいく一つのコツですね。

お母さんってどうしてもね、心がけでいってもね、ついつい小ちゃい子の方に向いちゃうんですよ。恐ろしいことにね、問題が起こった子たちはね、お母さんの顔の向きを言うんですから。「お母さんは、ケーキとかいいもの買ってきた時にはね、さあ食べようかって、いつも弟の方見て言ってたんだよね」みたいに。そこでお姉ちゃんは深ーく傷ついてたんですよ。こういうところを見られてるんですよ。だから怖いですよ。物理的に「一対一の仕組み」を作るのが一番いいんですよ。この子と話すしかないっていう。意外と塾に行き始めてね、送り迎えの時間楽しみにしている子は多いですよ。ママと一対一だから。何と言ってもお母さんなんですから。世界中でお母さんが一番好きなんですし、お母さんを喜ばせたくて頑張っている時期なんですから。

働いても大丈夫です。むしろ、それはそれで、充実した時間を作ることが、お母さんとして大切で、さっき言った「孤母」の不安定というものからは抜け出せますから。

(臨場感を伝えるために、あえて話し言葉のまま掲載しています)