講演会実況中継 『勉強の関わり方とは』

『勉強の関わり方とは』2013年5月

Q
小学校入学にあたり学校の教科書が変わっているので不安です。今の教科書は薄いし、絵や写真ばかりで、私が小学校だった頃とずいぶん違います。子どもがきちんと、「今日やったことは?」と聞いて返事できれば良いのですが、「別に」とか「わからない」と言われたら、学校で何をやってきたのか分からず、親としては不安です。教え方も違うようですし、家庭でのフォローの仕方や、対応のアドバイスをお願いします。
 

A
うーん。分かりますね。ただ、「上の子が始めて学校に行った時のお母さんの文章だなあ〜」と思いますね、典型的な。幼稚園のときってね、立ち話とか、連絡帳とかがあったりして様子がよくわかるんですよね。でも小学校だと全くやってくれないので、見えない。上の子ではじめてだ。すごーくお母さん気になる。で、失敗が非常に多い段階です、これは。

よくあるのは、詮索しすぎて子どもが「もううるさいなあ」っていう関係にどんどんなっちゃう。勉強の面でいうと、ノートがね、失敗する子多いですね、上の子で長女だったりなんかすると、お母さん授業中の様子とかよくわからないから、どうしても返ってくるノートとか、テストだけを見るんです。「何この字、もっときちんと書きなさいちゃんと!」とかっていうわけですよ。で、ケアレスミスなんかすると「もう言ったでしょう、見落としするんだからあんた」「見直ししてんの」と、ガミガミガミガミ言うんですよね。そうするとね、もうどんどんテストとか隠すようになったりしてね。大変ですよ。

この「きちんと病」っていうのかな「結果病」っていう、まあふたつありますけれど、つまり、テストの結果なんかどうでもいいんですよ、一年生なんかは。ほんっとうに、どうでもい。絶対に全部できることなんだから。お母さんが不安定で、孤独でなんかイライラしていると、どうしてもできなかったところに目が行っちゃう。人の悪いところが見えちゃうっていうのかな、アラが見えちゃうっていう。「95点も頑張ったの、よかったねえー」って言えないんですよね。

低学年向けの、ひとつの対処法の基本を言っておくと、「最終満点法」って言って、できなかったところを一緒に口頭で聞いて「これはどうやればいいの?」「あ、本当はわかってんのね、あ、オッケーオッケー」と言って花マルにしてあげる、という。いつもお母さんが色ペンでやるとかだとわかりやすいですよ。「これはいつもお母さんがつけてくれたマルだ」というように。「最終満点法」って、結局「私はできるんだ」っていうプラスイメージで終わらせることがね、大事なんです低学年時代は。そこだけです。「やればあなたはできるのよ」という言葉は繰り言のようにいつも言っておいてあげた方がいい。それはもう本当に刷り込みで、自己像が出来上がりますから。

そしてお母さんが、先生に聞かなきゃいけないのは「ちゃんと聞いてますか」だけです。授業参観の時もそこだけ見ていてください。1、2年生の勉強の頃から、結局授業に集中できていないと、高学年でだだーんと落ちて行きますから。もう全くついていけなくなりますよ。「聞く」っていうことが本当に大事です。義務教育なんて、ノートなんか取らなくても、聞いていればそれでもう、ほぼ満点でいけますからね。聞く力が優れた子が、やっぱり勉強ができる子なんですよね。だからそこのことだけは、聞いておいてください。「本当に先生の目を見て話を聞いていますか」そこだけが一番確認しなきゃいけないことです。

「別に」とか「わからない」とかいう子のお母さんで、やっぱり典型的に多いのは、詮索型というか、質問をしすぎちゃう。「それで?」「どうしたの?」「こうだったの、どうだったの」と。もう「やかましい」って思ってるんですよ、子どもは。でついつい「別に」という風になっちゃう。「そうかも」と思うかどうか、みなさん胸に手を当てて考えてみてください。

それから力のつけ方ですけどね、説明させればいいんです、親としては。つまり、本当にわかっているかどうかの確認は、算数とか理科系であれば「この問題ちょっと教えて」と言えばいいんです。で、「こうやってこうやってこうやるんだよ」という説明ができれば、それが理路整然と、子どもなりにでいいんですけれど、ちゃんと筋が通っていれば、分かっている。「忘れた」とかズルしますからね、分かってない子は。そこの所の説明をしっかりとできればいい。簡単にいえば 、要旨とか解き方とかポイントね。「ここが間違えやすいんだよ」とかいう言葉で言えたら、すばらしいですけれどね。

国語は、結局こういうことをやったんだということを、簡潔に「定義と事例ゲーム」と僕は位置付けてますけれど、人にものを説明する時には、定義と、例えばこういう意味です、とふたつセットで言えればよいんです。定義を言って例をいう。「こうすべきです。それは例えばこういうことです」この繰り返しなんです。こういうことを親として気をつければいいんですよね。(1848字)