講演会実況中継 『青い箱(高学年)に入ったら』

『青い箱(高学年)に入ったら』2014年1月

Q
夏休みごろから、お母さんはこうなんだから、とか言うようになり、親が気に入らない様子です。親の言葉や、大人を嘘つきだと感じているようです。そのような時期に入ったとは思っていますが、対応に苦慮しています。

 

A
うん。これいいですね。お母さんも勉強されている方ですし、このような時期に入った、と、頭ではわかっているんだけど、「なんかこの言うことを聞かない、こいつめ」という情が溢れちゃうというようなね。典型的な高学年なりたてのお母さんの状態に入ってて。大丈夫ですよ、みんなここ通過していますから。これははっきり言って子どもは健全そのものだと思いますね。ここまでの子育てがうまくいって、今までとは生まれ変わってきたという証です。

4-9歳、10歳、11-18歳、というように、子育てはだいたい、2つの箱があると思って、例えば赤い箱から青い箱に切り替えるのが5年生だ、というイメージでいるといいんですよ。で、4年生はね、グレーゾーンなんです。赤か青なんですけど個人差が大分あって。今言いたかったのは、まさにいま、青い箱に入ってきた、ひとつのシグナルです。今まではこんな言い方で反発してきたことなかったのにな、という。それは彼が不良になったのではなく、成長してきたのです。青い箱に入ったら、親側が切り替えなければいけないということです。講演会でいつもお母さんに言うのは、長男くんは潰されていることが多いということ。それから、長女は、猛反発して喧嘩しているような母と娘になっていることが多いということです。なぜかっていうと、親側が、切り替えてないからです。つまり、青い箱の「つもり」でいるんです。さっき言ったように、頭ではわかっているんですよ。ああ、変わってきたんだなと思うんだけれど「娘なんだから、いうことを聞いてよ」というような押さえつけたい情みたいなのがある。でもぼんぼこぼんぼこ言ってきますからね、向こうは。もう高学年になると一女として、この人は大丈夫かと、批判も鋭いしね。そうするともうガッチーンときてこっちは感情、あっちも感情でバンバンぶつかっている。中2くらいまでの間にたっくさんぶつかっている。で、これは親側が、切り替えて欲しいっていうことですね。これからはもう女の子の場合は、女子の先輩として、高3と高1の女子同士、のような関係として、恋のアドバイス、着るもののアドバイス、男の子の選び方、そういうことをしっかり。男の子をどう選ぶかということに尽きていますからね、青い箱の女の子の気持ちは。結論、夫は誰を選ぶべきかっていうことに集約して、その演習として芸能界では誰が好きとか、クラスになんとか君って可愛い子がいるとかってやりますけどね。結論は女の子はちゃあんと見てますよ。地に足ついてますから。もう高学年くらいから大人ですからね。「あれは観賞用よ」とかね、言ってますから。「イケメンよねえ、でも結婚するならなんとか君よね」とか。もう男女差はすごいですよ。男なんてね、もう中高生になってまでもガキもガキ。「野球で今日すっげえヒット打ってさ」みたいなことばっかり言って。それが男と女ですからね。

今言いたかったのは、お母さんが切り替えて、ということ。

男の子は逆に、どんどん離れていってしまいますからね、お母さんからみるとどんどん意味がわからなくなっていく。何をしたいのこの子は、と。この辺でのお父さんの関わりっていうのは重要だってよく言われていますね。あとはそっから先は、外の師匠です。基本的にはこの青い箱になった時には、外の誰か師匠を見つけてあげることが大事で、問題抱えている子達が、変わったな、というのを見ているとね、ああやっぱり師匠を見つけたんだな、と。それは特別の師匠である必要はないです。近所の空手道場の先生だったりね、頑固者がいいんです。言い切ってくれる人が。「ガタガタしたこと言ってんじゃねえ!」ってちゃんと言えるっていう大人がいいんです。物分りのいい大人ばっかりで周りを固めると、もう、モンスターができあがりますから。22歳で大人になってね、「とにかく3年はガタガタ言わずにがむしゃらにやれ」って「はい」っていいながら、「で、僕何時に帰れるんですかね」って始まりますからね。それが、ガタガタっていうことなんだよっていう。本当にね、権利意識ばっかりでねえ、対等な気持ちでいますからね世の中と。半人前の時期はもうとにかく鍛えてもらうしかないんだっていうね。「お願いします!」という精神が育っていない。人事の友人がいっぱいいますが、特に男が育っていないんですよね。男は弱いんですよ、ってみんな言ってますから。

話戻しますけど、この子は健全ですよ。入り口です。お母さんの気持ちはわかりますよ、なんか収まらないっていうのは。でもね、これは健全に成長してきた証ですし、そうか、これは私が「えいや」っていう気持ちで変えなきゃいけないんだわっていう、ひとつの信号だと思って欲しい。ただ、気負けはしないでください。つまり言いたい放題言われるなんて全然しなくていい。「何言ってんのあんた!」ってバシッと言ってやってください。変な話ね、感情丸出しになるなっていうことはね、そんなにもう高学年にもなると子どももこなしてるからね、あんまり気にしなくてもいい。低学年時代はきくんですよね、お母さんにもう潰されちゃった、みたいな気持ちになるんですけどね。高学年になったら、まあママまたやってらあ、みたいなね、こういう時は離れてた方がいいんだよね、みたいな落ち着いた対応ができるようになってきますからね。そういうのは気にしなくて良くてね、こうチヤホヤとかね、腫れものに触る感みたいなのが良くないです。親として、ふざけんな、こうしなさい!というような、生活のだらしないことについてはですよ、約束を守らないとか。それはビシッと言っていい。許す必要はない。

(臨場感を伝えるために、あえて話し言葉のまま掲載しています)