松島コラム 『中学入試を振り返って』

『中学入試を振り返って』 2017年3月

今年の中学入試が終わりました。FC生・道場生は持っている力を存分に発揮して、それぞれの受験を本当に最後までがんばりぬきました。行き先はみんな違いますが、中学生になればまたいろいろな出会いが待っています。これまでやってきたことを自信にして、次のステージでもさらに輝いてほしいと思います。
 今年はFCのホームページに、受験が終わった子どもたちへのインタビューを動画にして掲載いたしました。「これが花まるっ子の受験、FC生の受験!」と誇らしく思える内容ばかりです。ぜひ、一度ご覧ください(インタビューは順次公開してまいります)。
 実は子どもがインタビューに受けている間、付き添いで来られている保護者の方にもインタビュー形式でいろいろなお話をうかがいました。受験を乗り越えてきたご家族のお話はそのすべてが貴重なものばかりでしたが、その中であるお母様がおっしゃっていた言葉が印象的でした。

「受験生のお母さんはいつも不安でいっぱいだと思います。でも、親子で一つのことをともに乗り越える経験って、これが最後かなと思ったんです。今このインタビューを受けていて気づいたんですけど、実は私も子どもと一緒に受験を楽しんでいたんだと思います。それがよかったのかもしれません。でも、終わってみてそう思うのであって、終わるまではなかなかそうは思えないことだと思います。」
 本当にその通りだと思います。何が正しいのか。どれがいいのか。いろいろと見えない不安を、保護者の方はいつも抱えています。それも含めて中学受験。だからこそ親子の受験と言われるのでしょう。
 今年もたくさんの笑顔、感動に出会うことができました。改めて受験生のみなさん、そしてそれを支えてくださった保護者の方に感謝を申し上げたいと思います。
 4月に、中学受験における親のかかわり方に関する本を出版いたします。その中から一部をご紹介いたします。

偏差値は過去のもの。わが子のさらなる成長を願って
 最終的に進学する学校が決まったら、胸を張って次のスタートを切ってほしいと思います。本命校でなかった。安全校にしか受からなかった。いろいろな悔しい思いをした方もいるかもしれませんが、入学してしまえばそういうことはまったく関係ありません。偏差値はもう過去の話です。
 受験がすべて終わって、これまで使った大量のノートや問題集、プリントを整理していくと、「これだけの量をよくがんばったなあ」ということを感じるでしょう。
 塾に通い始めたころと比べれば背もずいぶん高くなっています。でも宿題に追われる中でやりたくもない口げんかの日々。わが子の成長に気づく余裕もあまりなかったかもしれません。でもそれは中学受験というものに真剣に向き合おうとした結果ですから、仕方のないことだと思います。
 そして今、受験が終わったわが子は、体だけでなく心の部分も立派に成長しているはずです。それは親にとってこの上ない喜びではないでしょうか。
 新しい制服の採寸が済むと、間もなく小学校の卒業式。普通の小学生の親としてだけでなく、受験生の親としての役割もこれで卒業です。語りつくせないくらいいろいろなことがあったかもしれません。お母さん、そしてお父さん、本当にお疲れ様でした。
 わが子は本当の自立に向けて新たな一歩を踏み出します。少し寂しい気持ちもあるでしょうが、受験を通してともに過ごした苦楽の時間は親子にとって一生の思い出です。それが消えることはありません。
 わが子の次のステージでのさらなる成長を期待して、新しい門出を誇らしく見送ってほしいと思います。