松島コラム 『特別な夏休み』 2020年6月

『特別な夏休み』 

~『現在過去未来』№85~

 いつもなら、汗ばむような暑さを感じる日も増え、「もうすぐ夏休みだ!」とワクワクしてくる季節です。この時期は、子どもたちだけでなく、私たち塾講師にとっても、「いよいよ夏期講習が始まる」という高揚感のようなものがあります。さらに今年は「東京オリンピック」という歴史的なイベントを直前に控え、日本中がお祭り騒ぎになっていたはずです。多くのメディアでは、「日本選手の最新情報」や「オリンピックの楽しみ方」などが連日取り上げられ、応援ムード一色になっていたのではないでしょうか。しかし今、世の中は「新型コロナウィルス」の話ばかりです。年初にこうした状況を予想していた人はいないでしょう。世界はたった一つのウィルスによって変わりました。どんなに技術が進歩しても人間の力では防ぎようのない自然の脅威があることを改めて感じます。
 
 今年の夏は学校と塾の両立が必要になります。多くの塾がそうであるように、FCでも夏期講習は夕方から行います。そこで問題になるのは、もし対面形式で例年の夏期講習と同様の時間割を組むとしたら、すし詰め状態になり「完全な3密」になってしまうということです。オンラインにはオンラインの良さがあり、対面には対面の良さがあります。それぞれのメリットを生かした学習環境を整えることが、withコロナ時代の教育には欠かせないことは言うまでもありません。ですから、FCでは平日の学校のある日はオンライン授業を軸に、週末は対面授業を軸に時間割を組みました。猛暑が予想されている中、マスクをして一日中学校で過ごした後に、混雑する交通機関を利用して通塾することのリスクや、3密になる可能性がある教室の中で、消毒や換気、熱中症などへの対策に、大人も子どもも心身ともに疲れてしまっては、学習意欲にも影響が出ると考えたからです。オンライン授業ではインプットを中心に、対面授業ではアウトプットを中心に行うことによって、しっかりと生徒一人ひとりの理解度を確認することができます。また、塾からの課題、学校の宿題に追われてしまい、どちらも中途半端になってしまっては意味がありません。連日連夜の授業ではなく、自学する時間も取れるように配慮した一週間のスケジュールになっています。そうした日程や時間割であっても、例年と同じ授業数を確保することができました。子どもたちにとっての安全を優先しながらも、来年受験する子どもたちには、夏にやるべきことはしっかりとやってもらわなければいけません。その思いを形にできました。  
 
 小6生・中3生の勉強合宿は中止となりましたが、「サマーチャレンジ」という対面の特訓授業を校舎で行います。これは今回が初めてのことではありません。2015年に箱根山の火山活動が活発化したときも、ホテルが箱根にあったことから、勉強合宿の開催を中止とし、「サマーチャレンジ」として行った実績があります。名称は変わってもやることは同じです。もちろん、対面授業においては、感染症対策をしっかりと行ってまいります。
 
 この時期になると、「夏を制するものは受験を制す」という言葉がよく使われます。通常では、「制する」=「支配する」という意味に使われていますが、今年の夏では、一つ目の「制する」は、「(気持ちなどを)コントロールする」という意味のほうが重要になると思います。「この夏で取り返そう」という思いが強すぎると、形だけの勉強になってしまう恐れがあるからです。「基礎を完璧にする」、ぜひこれをこの夏の目標にしてください。それが十分でないと、秋から冬にかけての本格的な入試対策で成果を上げることができません。現時点での成績ではなく、入試本番で合格点が取れればよいというくらいの鷹揚な構えで、保護者の方も見守っていただきたいと思います。
 
 徐々に来年度の入試変更点なども開示され始めています。対面での学校説明会を予定している学校も増えてきました。例年よりも学校情報を動画で公開しているところもあります。気になる学校はホームページでチェックしてみてください。引き続き、FC主催の学校説明会も行ってまいりますので、ご参加ください。

スクールFC代表 松島 伸浩