Rinコラム 『どんな漢字学習をしていますか?』

『どんな漢字学習をしていますか?』2004年8月号

私の幼き日の漢字学習は、いつも母親とともに懐かしく思い出されます。“漢字だけはきっちり”という信念でもあったのでしょうか。私にとって、はじめての漢字と出合うのはいつも母の「手づくり漢字ノート」の中ででした。母の書いてくれたお手本の漢字を見て、その下に書いてみる。「こんなのもう知ってるもん」と反発心もどこかにありながらずいぶん長い間毎日欠かさず漢字学習ができたのは、幼心に母親の愛情をそこに感じていたのでしょう。

さて、今年度初めての花まる漢検。今回は初めての試みとして、講師全員と保護者の方々も子供たちといっしょに受験をしました。受験を希望してくださった方以外にも、受験日直前に何人かのお父さまお母さまに声をかけたところ、「実は受験しようかなと気になっていたんですよね。受けてみます。」とおっしゃる方から、「娘と答えあわせができるのでやってみます!娘には負けません!」と闘志を燃やしてくださる方まで様々でしたが、さすが大人陣、講師も含めて全員が合格点を越えていました。しかし残念!満点の方はいらっしゃいませんでした。

「ドキドキのかん字けんてい」
2年 たかはし さわ
7/10にかん字けんていがあります。だいたいべんきょうはできています。心でもドキドキしていて、むねがはれつしそうです。でも楽しみです。

漢字学習における「壁」ともいうべきハードルの学年があるのをご存知でしょうか。漢字がわからなくなってくる学年は、3~4年生です。①新出漢字が最も多い学年ということと、②とくに4年生の漢字は、抽象的な概念を伴う漢字が増えるということ、③学校生活にもなれ、保護者の方もついつい手を抜きがちな学年であるということが、主な理由です。

実際、今回の花まる漢検が初めての受験となった、3年生からの新入会の子ども達と、1,2年生のころから花まる漢検を通して自分の「漢字学習」を創りあげてきた子達との間に、大きな開きが見られました。漢字検定特有の出題の仕方に、まだ慣れていないということが一番の原因だと思いますし、毎年、三学期にもなれば必ず結果を出してくれるのでそう心配はいりませんが、今回合格点に届かなかった子供達に関しては、夏休み中の課題(今回の検定内容と同じ問題)を私から出しています。例年通り、夏休みの三日間授業の最終日に再受験をし、努力すれば絶対合格ができるんだ、という気持ちを経験させてあげることが最優先と考えています。

基本は、間違ったものだけをピックアップして、高学年の「言葉ノート」の要領で自分だけのオリジナル漢字辞書を作っていくパターンが、一番効果的で本質的な学習方法です。すでに自分でできている子もいるとは思いますが、詳しく知りたい方はおっしゃってください。