Rinコラム 『夏の三日間・・・一年生、作文始まりました。』

『夏の三日間・・・一年生、作文始まりました。』2004年9月号

それぞれのサマースクールが終わり、夏の三日間がはじまりました。

この夏の三日間授業は、一年で最も子ども達の作文がぐんと伸びる時期でもあります。高学年は、二日目の授業で秋の作文コンテストを前に、Good jobを使って「テーマの絞り方」「主語述語の一致」「比喩」などを学んだ後、原稿用紙を使って作品をひとつ作成します。低学年の子どもたちにとっても、イベントの多い夏休み中ですから、書きたい気持ちがうずうずしています。毎年おたよりに選出する作品を選ぶ時期は、夏の子どもたちの作文を前に、ひとしきりニヤニヤしながら読んだあと、「う~ん」とうなる私がいます。

作文花まるの作文指導の目的は、「書くって楽しい!」という気持ちを育むことからはじめ、「文章で自分を表現する喜び」を感じることができる人になって欲しいということに重点を置いています。そのために、所謂“作文添削”とは違い、現場では子どもたちの心とどれだけ触れ合い、それをいかに引き出すかということが勝負です。

昨今の“いじめられる側・引きこもり傾向”には、ある特徴があります。それは、小さい頃『いい子』だった、ということです。ずっと見られることを意識し、変に奇麗事を飲み込んでしまう子は、「やめろ!」が言えない。それは、私たちから見れば、「取り繕った作文」に表われます。その子にとって、“自分の気持ちを素直に書ける”という壁を乗り越えられるかが大きなテーマになってきます。それを突破できた時、その子の内面も同時に大きく成長したといえます。今まで数々の子どもたちの飛躍の時を目の当たりにしてきましたが、いつも思うのは、子どもの持っている力です。自分自身で成長する力をしっかり持っている。それを信じてやればいいだけなのです。

子どもはぶつかり合いながら生きていくのが当たり前。そしてそれを経験する権利を守ってやることが、私たち大人の使命であるように思います。

さあ、一年生の作文デビューが本格的に始まります。夏の三日間授業で、子どもたちはどんなことを書いてくれるのか今から楽しみです。

※昨年度の「作文コンテスト」優秀作品集を7月に配布しました。今回は賞を取った子には授与式でお渡しし、その後、「欲しい人?」と聞くとほとんどの子どもたちが嬉しそうにもらって帰っていきました。まだもらっていない方で、欲しい方がいらっしゃいましたら、丹保までご連絡下さい。