松島コラム 『withコロナ時代の受験』 2020年5月

『withコロナ時代の受験』 

~『現在過去未来』№84~

 今回の新型コロナウィルスの問題で、盛んに議論されているテーマの一つが教育です。オンライン対応の遅れや9月入学問題など、日本の教育がいかに先進国の中で特異な形だったかを表しています。そこには「受験」も含まれています。日本の受験システムは、品質維持・大量生産の高度成長期には、人材輩出の仕組みとしてその役割を十分に果たしてきました。しかしAIの進歩やIoTの発展が進む第4次産業革命の時代では、教育も変わらなければいけないということを多くの日本人が感じているはずです。ただ今回も過去の話になりつつある大学入試改革(高大接続改革)のときのように「拙速」という一言で議論は立ち消えとなり、本来まったなしであるはずの教育を変える動きはなかなか進みそうにありません。いずれにしても大切なことは、わが子の教育・進路についてはそれぞれが考え、判断し選択していくことだと思います。
 
 さて来年度の受験はどうなるのでしょうか。文科省は各自治体に、高校入試においての出題範囲や内容、出願方法、内申書の扱いについて、特定の生徒に不利益が出ないように工夫することを求めています。もちろん、原則は学習指導要領の内容を中学課程で修了することを目指すわけですが、もし第2波、第3波が来て再び休校となれば、中3の入試頻出単元の学習が入試直前までかかってしまっている学校の現状を考えると、なおさらこれまで通りの出題はできないのではないかと思ってしまいます。コロナの流行時期が予測できない限り、入試問題を作成するタイミングも難しい。悩ましいところですが、例年通りと考えて備えていくしかありません。
 
 中学受験では、学校の学習の遅れが影響を及ぼすことはないでしょうが、入試の形態や出題傾向に変化が出てくるのは必至です。ここ数年の傾向でもありますが、いわゆる既存の学力試験ではない、口頭試問や作文、グループワーク、適性検査型入試などの多様な入試が増加することは間違いありません。出題傾向としても、感染症などの医学・生物学の分野だけでなく、自然災害などの環境・エネルギー問題や貧困やマイノリティなどの社会問題、ICTなどの技術革新をテーマにした問題が増えると思われます。先日私学の先生方にお集まりいただき、FC主催のオンライン学校説明会を行いましたが、現段階では在校生への対応に追われており、来年度の入試についてはまだ白紙の状態だと感じました。その様子はスクールFCの特別サイトで6月上旬に公開されますので、ぜひご視聴ください。また学校でもオンラインでの保護者向け説明会が始まっています。今年は夏から秋にかけての説明会がメインとなるでしょうから、来年の入試の傾向については聞き逃さないよう、学校のホームページをこまめにチェックしてください。私学の入試問題は学校が求める生徒像を映し出していると言われますが、来年度はよりその傾向が顕著に出るところがあるかもしれません。11月、12月の入試問題に関する説明会がとても重要になります。またオンライン受験も視野に入れている学校が出てきているようです。今後行われるFC主催の学校説明会や個別相談会にぜひご参加ください。
 
 スクールFCはこれまで通り、子どもたちの安全、保護者の皆様の安心を第一に考えて運営してまいります。皆様のご協力のおかげで、予定通りにカリキュラムを進めることができております。新型コロナウィルスが再び流行したとしても、オンライン授業と通塾での授業を切り替えながら、みんなが当たり前のように学習が継続できるように努めてまいります。

 夏休みは受験生にとっては大切な学習機会となりますので、学校の授業があってもしっかりと必要な時間を確保していく予定です。遠くへの移動や長い時間生活をともにする勉強合宿については、今年は中止せざるを得ませんが、校舎で集中して同等の学習内容に取り組んでいただきますので、ご安心ください、詳細は改めてお知らせいたします。
 
 引き続きご家庭の皆様のご理解とサポートを、何卒よろしくお願いいたします。

※6月30日(火)「withコロナ時代の中学受験を考える」というオンラインゼミを行います。詳しくは「花まる子育てカレッジ(エデュプラ)」のホームページをご覧ください。

スクールFC代表 松島 伸浩